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事例87 株式会社フーズサポートモリカ

事例87

株式会社フーズサポートモリカ
・「短時間勤務」をはじめ、勤務地や職務を限定した働き方を可能に
・限定正社員への転換は、何度でも柔軟に選択可能

会社設立年 2000年
本社所在地 愛知県名古屋市丸の内三丁目19-5
業種 外食業(店舗運営、店舗サポート)、コンサルティング業ほか
正社員数 役員4名、一般社員18名(男性13名、女性5名)
(2019年7月現在)
非正規雇用労働者数 アルバイト:134名(男性51名、女性83名)
(2019年7月現在)
資本金 1000万円(2015年2月)
売上高 6憶424万円(2018年8月現在)

PDFデータ

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2000年 株式会社フーズサポートモリカ設立
2001年 総本家備長扇屋 愛知県FC地区本部となる
2015年 総本家備長扇屋 愛知県FC地区本部の運営、傘下グループFC加盟店10店舗の統括開始 他
2016年 本社を現所在地に移転

 同社は、中部地方を拠点に飲食店の運営・サポート事業とコンサルティング事業を展開している。
 飲食店運営・サポート事業では、フランチャイズ(FC)への加盟・店舗運営から、FCに加盟している他法人への経営支援まで行う。
 現在は、総本家備長扇屋の6店舗、カフェレストラン ベビーフェイスプラネッツの1店舗、味噌煮込みの大久手山本屋の1店舗、東京下町もんじゃ屋Rikyuの1店舗運営を行いつつ、総本家備長扇屋の愛知県FC地区本部運営、傘下グループFC加盟店10店舗の統括(他法人での業務代行や店長教育を含む)等を行っている。
 またコンサルティング事業では、社員のキャリア形成プランの策定、人事・評価制度の構築等をテーマに、自社で行った制度改革を他社に展開し、経営改革を支援している。

1.社員体系の全体像

 同社の正社員は、フルタイム正社員と短時間正社員、店舗限定正社員、職務限定正社員の区分に分かれており、正社員の職種は事務、コンサルティング、店舗勤務がある。他には、有期雇用労働者であるパート・アルバイトがいる。
 なお同社は愛知県内で事業を展開しているため、フルタイム正社員の場合、愛知県内で異動の可能性がある。また、事業領域として店舗運営、サポート事業(FCに加盟している他法人で業務代行や店長教育)、コンサル事業(人事・キャリア形成支援他)があり、希望すれば職種を変更することも可能である。ただし、職種の変更をする場合は、未経験の職種となるので、等級が1ランク下がる。

社員体系




2.限定正社員制度

 同社は、短時間正社員制度、店舗限定正社員制度、職務限定正社員制度を導入しているが、ここでは短時間正社員制度について詳述する。

(1) 短時間正社員制度について

① 導入のきっかけ

 制度導入前、同社では人手不足への対応が課題であった。
 そこで、フルタイムで働ける人たちだけでなく働く時間に制約のある人たちにも目を向け、そういった人たちに働いてもらうことで人手不足を解消できないかと考え、2015年、短時間正社員制度を導入した。

② 特徴

 短時間正社員に転換する際、本人が希望すれば、職種の変更も可能であるが、業務の内容が職種ごとに大きく異なるので、実際に職種を変更した社員はいない。仕事の「質」は正社員と同じで、仕事の「量」のみ勤務時間に応じて調整する。また、フルタイム正社員と短時間正社員間の転換が可能となっている。
 勤務時間は、1日に4時間、6時間、7時間勤務のいずれかを社員本人が選択でき、原則として残業はない。

始業・終業時間のパターン



 制度を利用できる期間は、結婚を理由とする場合は1年、育児を理由とする場合は、子どもの小学校卒業まで、介護やその他の理由では1年となっており、その期間が満了しても、再度申請することによって適用期間を延長することができる。
 同社では、上記以外の理由でも幅広く短時間正社員への転換を認めており、自己啓発、慈善活動、資格取得などのさまざまな理由で制度を利用することができる。

(2) 導入における工夫点

① 周知

 短時間正社員制度を導入した当初は制度に関する告知ポスターを作成し、まず同社に在籍するパート・アルバイトに対して「短時間正社員」、または「フルタイム正社員」への転換希望者を募った。また、社員の友人・知人への呼びかけをしてもらうなど、制度の周知に協力してもらった。
 同時に、社員が制度についてより受け入れやすいものとなるよう、短時間正社員制度を利用するとしたらどのように利用したいか社員に対しヒアリングを行うとともに、繰り返し対話や研修をすることにより、フルタイム正社員の短時間正社員制度に対する理解が得られるような環境づくりに努めた。

② 運用

 短時間正社員を雇用する際には必ず雇用条件通知書を作成し、これに同意してもらってから採用することにしており、また、年に1回面談を行い、働き方のスタイル等についての要望を聴取している。

③ フルタイム正社員、短時間正社員間の相互転換

 前述のとおり、同社では様々な理由で短時間正社員に転換することを認めるなど、フレキシブルな制度運用を目指しており、社員は、フルタイム正社員と短時間正社員間の転換を何度でもすることができる。短時間正社員に転換したい日の1カ月前までに申請し、申請から3営業日以内に承認の可否が通知される仕組みとなっている。

フルタイム正社員、短時間正社員間の転換



(3) 処遇

 短時間正社員の処遇については、基本給は労働時間で按分し支給され、フルタイム正社員と短時間正社員の時間当たりの基本給は同額である。賞与の決定方法については基本給がベースとなる。その他の手当や福利厚生はすべてフルタイム正社員、短時間正社員とで同じである。
 昇進、昇格の条件についても同じ基準となっている。

短時間正社員の処遇



3.他の「多様な働き方」

(1) 職務限定社員

 本人の希望で、事務、コンサルティング、店舗勤務のうち特定の職種に限定して働きたい場合に利用できる。就業規則に規定はないが、労働条件を雇用契約書に明記し、運用している。
 なお、職務限定社員制度は、昇格を望まない社員に対し適用しているため、原則昇格対象とならない。また、コンサルティングの職種は最も高い等級の職務となるので、コンサルティング職の職種限定社員を選択すると昇格対象から外れることとなる。
 基本給、賞与、その他手当については、能力等級制度による評価を行っているため、職種を限定していない正社員と同じ基準で支給される。
 階級によって参加しなければならない会議が決まっており、会議に参加するための時間と移動費に対する手当として職務手当が支給される。

(2) 店舗限定正社員(勤務地限定正社員)

 一般の正社員では、1店舗勤務、複数店舗勤務と様々だが、店舗限定正社員は複数店舗を担当するのではなく、原則1つの店舗で勤務する正社員である。したがって、店舗限定正社員を選択すると、店舗をまたいで行う業務ができないなどの制約はある。
 賃金面においては、(1)職務限定社員で記載したように、正社員の賃金テーブルは能力等級制度で統一されている。但し、店舗限定とすることで満たせない能力要件等があるため、結果的に職務の幅が限られている。

4.効果と今後の課題

(1) 効果

 短時間正社員制度導入時、短時間正社員として5名を新規採用した。その5名は後にフルタイム勤務に転換したが、また新たに短時間正社員を2名採用した。人材確保がますます困難になる中、短時間正社員制度導入により応募者数が増加したことは大きなメリットであった。
 さらに、全体の社員数が増加することによって社員一人ひとりの負担が軽減し、バランスの取れた働き方をしてもらえるようになった。社員のワーク・ライフ・バランスがより良い形で実現できているのではないかと思う。

(2) 今後の課題

 所定休日を増やせるような働き方や、高齢者にも活躍してもらえるような仕組みを検討していきたいと考えている。


5.活躍する社員の声

店舗主任 Y さん

年代 30代 性別 女性
勤続年数 5年
学生のころよりアルバイトとして働き始め、後に短時間限定、かつ、店舗限定の正社員に転換した。
店長が不在の際は代行を務めるなど、主任として活躍している。

◆アルバイトを経て勤務地・時間を限定した働き方で入社

 高校3年生の頃アルバイトとして入社し、2015年頃より短時間勤務・店舗限定正社員に転換した。それまでは、2人の子どもを育てながらアルバイトとして働いていたが、その働きぶりが評価され、勤務時間と勤務地を限定できる正社員にならないかと会社より提案があった。
 これをきっかけに短時間勤務・店舗限定の正社員となり、店舗で、主任として店長代行、新人(アルバイト)教育、店内のオペレーションを担いながら、7時間勤務を続けている。

◆自身の意思や家庭環境の変化などに応じて、柔軟な働き方の選択が可能

 現在、日によって勤務時間が異なるシフト勤務であるが、子どもの学校行事等に合わせて勤務日、勤務時間を調整でき働きやすい。
 また、同社では、短時間正社員でも昇格ができるし、この先フルタイム正社員に転換することも可能であるため、ライフステージに合わせた働き方ができる。
 学生時代から勤めている愛着ある同社で、これからも意欲的に働き続けたいと思う。